佐野美術館の「名刀は語る-磨きの文化-」で、太鼓鐘貞宗と蜻蛉切が展示してるので行ってきました。レポというか感想です。刀剣乱舞のコラボ企画のスタンプラリーは休館日のやつがあるので諦め。
「名刀は語る-磨きの文化-」展
佐野美の展示目録を見ると、前期と後期で見れるもの違ってたんですね。一緒に行ったヒロさんは前期にも行ってた。後援に教育委員会が入る静岡県の協力体制。
平日の午前中の鑑賞だったので、解説も含めゆっくりと読むことができました。初日の4時間待ちみたいなのをツイでみて、ゆっくり平日に落ち着いた頃に行こうとしていた。私達のような審神者もいたけど、この日は刀が趣味の本式の男性のほうが多かったかも。
刀剣の鑑賞は観るときの光の角度が重要なので、近づいたり遠目にとマジマジと見れた。後半の展示は解説が多いのでしつこく観てた。文字量はそう多くないのに情報量が多い。混んでたらきっと読めなかった。
佐野美術館の解説(キャプション)の特徴
解説(キャプション)は、派・年代・反り・長さ・銘・号(あれば)
解説がわかりやすく、文が堅苦しくない。刀の初心者でも、本式の趣味の愛好家向け、どちらもカバーする情報量。偽物とそうじゃないの並べてあったところの説明が、一番好き(ユーモアセンスのギリギリな微笑ましさの表現があれ)
解説に美的センスの感性が付随されてる場合があるので、「まず自分で刀の現物を見る→解説を読む→鑑賞ポイントが書いてあるのでそこを鑑賞」のをおすすめします。私はシンプルに概要だけ書いてある解説よりも、やや主観の褒め(?)が入るほうが好きです。「上品」かどうかって完全に書いた人の主観じゃねーか!って思ったけど、好きな刀が褒めてあるのは読んでて楽しかった。
美術展・企画展に行く場合、私はこういった解説文を注目してみるのですが、佐野美術館の文章は学芸員の方の努力と工夫が施されてた。テクニカルライティング能力が高い人が書いてると思うので、これから行く人はぜひじっくり刀の解説を見て欲しい。
展示について
ゲームのお陰で長船派・来派などの、系統が分かる状態で鑑賞ができる。来派の家系図とか把握してから見ればよかった。誰の息子作とか兄弟作とか知識がぼんやり。展示目録を事前に見て、派の刀工系譜を調べておくと良いかも。
派より作られた時代背景のほうが刀・鞘・つばのデザインに違いが大きいような気がしました。武器として作られたのか、美術品として作られたのかの違い。あと、その地方で鉄の質、鞘に使う朴の木か取れるか否かとか、そっちのほうが重要。
見えない茎(なかご)にも趣向が施してあり、目釘孔にも飾り穴なんて概念あったんですね。4つ開いてるやつもあった(ってか貞ちゃんは4つ)複数開いてるものは、忍穴や磨り上げで長さが変わって増えたものと認識していたけど、デザインとして開いてる目釘孔もある。見えない部分にも気を使われる刀。
茎の錆び方が、ものすごく前から存在していた感が見れた。流派や個人でぜんぜん違うね。
軽量化のために鎬(しのぎ)に掘られてる樋(ひ)は刃音が出るから、こいつは闇討ち暗殺には不向きなんだろうなーって観てた。アナログ絵描きにしかわからないことですが、ガラス棒の定規の溝にしか見えなくなって困った(筆で直線を書くときに使うアレだよ)
刀の拵え(こしらえ)がわかる展示もいくつかあったので、それをじっくり観てました。鍛刀にはいろんな職人の人達の分業された技術が必要。鞘がどんなふうに作られるかの過程は初めて見た。
最後のコーナーに10分ぐらいの磨き直しの映像あり。この映像にBGMがなかったのもわかってる。あれはBGMもナレーションも不要。テロップと作業の音と職人の手元だけで十分。
太鼓鐘貞宗
今回を逃したら次に見れるかわからない貞ちゃん。
貞ちゃんは大倶梨伽羅と一緒に保管されたんですね。ゲームのパリピ元気っ子なイメージより、ちょっと女性的な感じのする刀でした。ますらおよりは、たおやめ。ちっちゃくて細身。
粟田口の短刀とは全然雰囲気が違う。
イラストのパネルでボタンに羽の模様があることを知る。
蜻蛉切
蜻蛉切は、裏に鏡があって、裏面の梵字が見える様になってる。刀剣乱舞の蜻蛉切イラストで見れるのは梵字の方。描き下ろしイラストは表の方。
刀剣のイラストのイメージ+セリフと現物の印象が一緒だった。すんごい斬れそうってのもわかるし。強そうというより、ご利益ありそう感があった。なんかもう美しい(語彙力とは?)左右対称のシンメトリー感があるからかな?
うっかり近づいて留まる気になったトンボの気持ちもわからんでもない。
佐野美術館のライティング最終確認は渡邉妙子館長です。刀剣展示は入念に一点一点、鋒(きっさき)まで光が当たっているか、茎(なかご)の銘はちゃんと見えるかなどチェックし調整します。(こそっ…それゆえ、館長と同身長151cmの方が実は一番見やすいかとっ) #展覧会は手造りです pic.twitter.com/DRHZV97Zbr
— 佐野美術館 (@sanobi_koho) 2017年1月25日
おかげで156cmの自分、見やすかった。
佐野美術館の館長である渡邉さんもいらっしゃいました。貞と蜻蛉切さんを展示してくださってありがとうございます!!!!!!!!
コラボ企画のスタンプラリー
レンタルサイクル(無料)で回るとスタンプラリーコンプが楽。
徒歩出いける範囲だけど、スタンプ集めるならレンタサイクルがおすすめ。ここはぜひギア付き自転車をレンタルしよう!(ゆるやかな坂なので駅に帰るときが常に大変)
身分証明書掲示でOK。リサイクル自転車を市が運営してるので無料だよ。駅出てすぐのスタンプラリー交換所になってる三島市総合観光案内所でお借りできます(電動自転車は500円)
観光案内所にチラシがあって、佐野美術館10%割のクーポンもあります。
駅前の楽寿園の三島市郷土資料館は毎週月曜日が休館日で、スタンプラリー断念。1日で回らなくてもまた来たときにもできますしね。ね…。休館日の概念を失念していた…。
「大社の杜」内にあるMeyci
三嶋大社の前にある「大社の杜」内にあるMeyciというカフェ。名刀カフェラテとサブレが食せます。街を挙げてジャンルを盛り上げてくれるのならば、せっかくなので頂いてきました。
室内の座席数は少なめ。晴れてれば室外にも席はあります。
三島に来たからにはあれですよ。私はラブライバーなので、ラブライブサンシャインの聖地、沼津と内浦の方にもこのまま行ってきたわけ。とうらぶの佐野美がなかったら静岡こなかった、ありがとう佐野美のコラボ。