【刀剣乱舞】刀ミュ「三百年の子守唄」ネタバレ感想

人間臭さを6振りが習得する話だなって思った。最終的に皆が非合理的になってて興味深い。

2023年大河の『どうする家康』を刀ミュの知識だけで見てる。「これミュで見た!」で楽しめてる。

三百年(みほとせ)の子守唄

三百年(みほとせ)、百年(ももとせ)、千年(ちとせ)”とせ”が歳月の意味。

大倶利伽羅役の方が財木琢磨さんで、テニミュの手塚役だということだけ情報として知ってるぐらいの舞台知識。

事前情報も公式サイトにある情報のみで、ツイッター等のSNSも積極的に情報を摂取しないようにして臨む。

史実知識は、「信康の介錯の時に使われた刀が村正」ってことだけ知ってたぐらい。

刀ミュ1幕  ストーリー・概要

  • 上演時間:約2時間15分

手記を元に石切丸の回想で語られる形。千子村正は顕現した直後。

遠征してたにっかり青江と大倶利伽羅が行方不明。

縁ある刀の物吉・村正・蜻蛉切と隊長の石切丸が捜索へ。岡崎城が壊滅、主だった松平家の家臣も全滅。

みんなが家臣に成り代わって、赤ちゃんの徳川家康を皆で育児しようという話。

今までとうらぶのメディア展開の話は、「元の主がもしここで生きていれば…」葛藤系だったけど、今回はぜんぜん違うお話。いいよ。こういうのいいよ!

「成り代わる」ってそんな歴史に介入していいの? そんな細かいことどうでも良くなる。

「その時代の人に関わっちゃいけない」私達にはドラえもんで培ったタイムパトロールの教えが染み付いてる。

冒頭で討ち死にしたのは、各家臣のお父さん達(家康父もこの時?)本多忠高や榊原長政。大倶利伽羅は「榊原のせがれか~!!!」って言われてた。

亡くなったのは家臣ご本人かと思ってた。半蔵は家康と同い年ぐらい。家康とその長男の信康の2代を見守る。

「家康に命じられて信康が切腹する」ここの史実の解釈と演出が、この話の見せ場。信康に関してはいろんな説があるがあるから、題材にしやすい。

今回は村正が居る。ここに関して、村正メインでなかったところが良かった。思い悩むのが石切丸なのは予想できなかった。

検非違使の出方とストーリーの関わりが予想外で良い。

ってことは石切丸に迷いがあったってことでしょ?ってタイミングで出てくる検非違使。検非違使は強キャラあつかいで阻んでくれないとね。

家康最期のところは、物吉エンジェルによる「ルーベンスの絵を見るネロとパトラッシュ」の気持ち。

ラストの石切丸の手記

ラスト5分の終わり方がフランス映画みたいにゆっくり進む。

セリフ少なめで沈黙多めで音声無しで進む。時間は5分ぐらいだけど、劇中の時間は30分ぐらい過ぎてるシーン。演出が上手な作家が短編コミカライズしてほしい。

ラストの石切丸の似顔絵を見つけるところ、「これを見た大倶利伽羅の反応が想像できるね」ってあったけど、これを見つけて不機嫌になるのかなって思ったら、微笑む大倶利伽羅。これ絶対青江の想像とは違うオチだって! このオチだけでもびっくりした。

冒頭で石切丸が伽羅に「誰かがこれ(手記)を見て思い出してくれるかもしれない」って、手記について語ってた。

多分これ大倶利伽羅が、みんなでキャッキャしながら子育てしてた頃を思い出したのかな?(挿絵で笑ったのもあるだろうけど)

「手紙も最後まで書いたことがない」って言ってたから、まだ家康・信康が亡くなるところまで書き上がってなくて、幼少期までしか書き上がってない。楽しかったときの記録しか書かないとかありそう。

そしてあの手記は、永遠に完結しないんだろう。

史実的なこと

天文11年(1543年)から家康没の元和2年(1616年)までの長期間の任務。徳川家康の誕生日が、天文11年12月26日(旧暦)冬の出来事。西暦に直すと1月31日。

この話では一貫して元号で表記される。西暦だと月がずれちゃうからね。順番は天文-弘治-永禄-元亀-天正-文禄-慶長-元和の順。

  • 天文11年:家康誕生
  • 永禄2年:信康誕生
  • 天正3年:長篠の戦い(吾兵のとこ)
  • 天正7年:信康切腹(家臣たちは皆先に亡くなってる)
  • 元和2年:家康没

300年というのは江戸幕府終わりまでの300年。

各キャラが臣下になりすます時期は、史実と同じタイミング。村正が井伊直政になるタイミングが長篠の戦い前だったし、史実では天正3年に家康の家臣になってるし。

キャラ別感想

本命の9割大倶利伽羅(1割にっかり青江)を目で追っていた。

他の方の動きをじつはよく覚えてない。だって情報量多くてどこ見ていいかわかんないから……。

石切丸

石切丸は服部半蔵。

ストーリー進行役。史実の知識がなくとも石切丸がナレーションでどこで何やってるか説明してくれる。FEの章ナレーションみたいに。

三条の刀ミュと同時系列の阿津賀志山異聞の石切丸。

卓越してていいお父さん。役者さんも慣れてるし、石切丸としての描かれ方も何回も隊長やってる貫禄あった。

石切丸の描いたにっかりさんの似顔絵の微妙さ。上手いともヘタとも言えない微妙さ。コメントしづらい微妙なさじ加減。にっかりが反応に困ってたでしょ!

石切丸を気遣うにっかりを何度かスルーしてかわす。にっかり一人だけが気づいてるところ、にっかりと石切丸が好きな人にはこのやり取りだけで本が3冊出る。闇堕ちしかけるしね。

この石切丸は、楽しかったことだけを思い出にしそう。

あの手記には楽しかったことしか書かなくていい。「手紙も描き終えたことがない」っていうのは言い訳で、絶対最後の方は詳しく書いてないと思う。

「手紙も描き終えたことがない」って、三条の中では一番筆まめそうなのに!? そんなセリフは意味深じゃないか?

登場人物の誰よりも「愚かな美点」を習得してた。一番思い悩んで人間らしい。

蜻蛉切

蜻蛉切はもちろん本多忠勝。

竹千代を肩に乗せたり、赤ちゃんをおんぶしながら訓練する姿は戦うお母さん。父性というより母性。有名私立学校のPTA会長のお母さん感ある。

本多忠勝を尊敬しすぎててなりきれる自信がないことを、物吉に「なりきろうとすることがすでに冒涜ですよ!」と自己啓発セミナーのノリで説得されるところ好き。

「おこがましい」「恐れ多い」という単語を使う蜻蛉切がそれっぽくていい。

両手持ちの槍だけど、快進撃の蜻蛉切無双ときの殺陣では、片手で振り回す。無双のゲームでこういう槍キャラ見る。

妖刀伝説で自分は徳川家にとって縁起が悪いって一歩引いてる村正に、蜻蛉切が「俺も村正だ」っていう(だれが信康を斬るのかのシーン)

村正

千子村正は井伊直政。

史実と同じように作中でも、最後の最後で臣下になりきった。

彼が顕現するところから始まるんですが、光の照明が魔法少女の変身シーンでキラキラしてる。ゲームだったらヒロインポジな子が神聖な場所で目覚めるシーンみたいだ!すごい、光の演出。

「脱ぎまショウか?」「そうそう、カワリマセン」、台本のどこがカタカナになってるのかが、わかる喋り方。

沈黙が耐えられなくなると、周りも巻き込んですぐ脱ごうとする。村正の脱ぐ=抜刀なのかなって思ってる。

演技もうまいし、視線の動きが細かい。今このキャラの様子見てるのか、視線で分かる。

自分が半蔵役だって思ってただろうから、石切丸が「私が半蔵をやる」っていい出したときの村正の表情ってどうだっただろうか?

見逃してしまった。知ってたらなにか気づけたんだろな。う~ん、動画配信でこのシーンの村正の動きをカット割り入れてほしい。

視線の他にも、女性的で顔に手を持ってく仕草多め。そういった手の指の動きが細かいところでキャラになりきってた。よく指をひらひらさせて歩いてた。さらに倒れ方が艶めかしい。

伽羅「馴れ合うつもりはない」
村正「私は馴れ合うつもりいっぱいデース」

伽羅ちゃんが刀ステで、みんなの知らない伽羅ちゃんになってしまわないか心配。

家康に対して「とにかく地味」「人気ない!」「たぬき」はっきり言う。私の家康のイメージは真田丸大河ドラマの伊賀越のあれの人です。

「信康は村正が斬ったとされてる」って事を本人が言ってたことから、先を考えて情を持っちゃうのが嫌だったんだろうね。

歌がすごく上手い。ソロも多いし、皆で歌うときのハモリもおそらく高音を担当してる。

にっかり青江

にっかり青江は酒井忠次。

足がほっそりしてて、2次元をそのまま3次元にしたみたい。フィギュアが動いてる! 3次元に居るMMDのにっかりさん。足が長いな。

赤ちゃん抱っこしながらの殺陣で、人斬ってないときは赤ちゃんを必死にあやしてたりしてた。脇差だけど太刀と同じような立ち回りっぽかった。脇差なことを忘れる。

赤ちゃん抱っこして「柔らかいのは好きだよ。食べてしまおうか」は、いままで赤ちゃん抱っこしたことないんだなー、戸惑ってるんだなーってわかった。

石切丸との回想会話で「幼子を斬ったから神剣になれない」ってそういう不調和をここで回収。

「人の心って壊れる」ってにっかりが言う伏線の回収もあって、ラストの「笑いなよ、にっかりと」はゲーム中のセリフをとても効果的に使ってくれた(あの手記楽しいことしか書いてないって!)

ゲームのセリフをメディア展開で使う。このセリフは効果的。

大倶利伽羅

大倶利伽羅は榊原康政。

農民出身の武士になりたい吾兵に剣を教える。「馴れ合わない」といいつつ、わりと面倒見がいい、私達が思うよく見る大倶利伽羅そのもの。

アイラインがはっきりくっきりでイケメンさがアップしてた。

最初は城の周辺警備やってたのに、最終的に膝をついて「かしこまりました」っていうのカッコいい。敬語使えるキャラだったんだ。待遇表現がしっかりできる。

石切丸にいなされる大倶利伽羅。この二人がタイマンで戦うなんて! 見たことないこの組み合わせ!

吾兵のお墓に供えるために、お花を摘んでくる大倶利伽羅。お花を摘む伽羅ちゃん、お花…お花詰んできた!(動揺)

あと最後笑った? 笑う? え? ミュージカルにでてくれてありがとう。

大倶利伽羅は今回のメンツの中で家康に直接関わってない刀。ちょっと斜に構えたキャラが、吾兵との交流し、刀剣男士として”人間臭さを手に入れる”役割を出しやすい。

「主ではない人物と」っていうところがポイント。

阿津賀志山異聞を経て、心があることを自覚して喜怒哀楽がある石切丸に「君の刀は軽いね」が「重い」になるあたりや、最後笑うところ。

笑うところは「人間臭さを手に入れた大倶利伽羅」の演出だろうし。「人らしい」ではなく「人間臭さ」の方です。

次の刀ミュでもしかしたら、人間臭さを習得した大倶利伽羅が、今回の石切丸みたいにつなぎ役でまたでてくれるのかもしれないし(期待してる)

物吉貞宗

物吉貞宗は鳥居元忠。

この子だけ我が本丸にいない。この刀ミュが初印象。みんなに様付けなんだね。

物吉の記憶を持った鳥居元忠。「幸運がついてます」「この戦は勝てます」で進めてく。「元忠が言うならそのとおりだな」と信用されてる。

村正が思ってる地味で人気ないたぬきじじいな徳川家康の印象を、「そんなことないですよって家康様は!」ってポジティブに変えてく。営業部長のプレゼンター物吉。

元の主大好き刀はいいね。自己啓発セミナーの講師のような笑顔。前にグイグイ来る。

村正に「幸運だけを運びなさい」って言われたり、しつこく幸運言いまくるのに(ダンロンキャラかな?って思うぐらいに)、後半になって家康は物吉に「幸運だと思い込まされた」疑惑も出てくる。

ポジティブな言葉が、紙一重で反転するの好き。

物吉だけ脱俗キャラでもそれはそれで萌えたけど、完璧に光属性じゃなく、闇も1割ぐらい持ってた。

2部の物吉の衣装、村正に「脱ぎまショウ?」ってやられてて、警戒してあんな肌の露出少ないんだよ。

家康

家康も信康も幼名はどちらも竹千代。徳川家の跡取りは幼名が一緒

二代目秀忠も信康が自害後は竹千代。

家康が「忠勝!忠勝!」連呼するところは、まだプレイヤーキャラじゃなかった頃のBASARA2の家康っぽかった。

人質時代や豊臣政権の苦悩の時代は書かれてない。

物吉の「運はこちらにあります」を象徴されてた。ってことは良かったことしか石切丸はあの手記に書いてないって!

吾兵

鎌はバトロワで言ったら最高の当たり武器だよ!

吾兵も、伏線とシナリオ上の役割に意味があって無駄がない。私はてっきりミュのオリジナルキャラクターだと思っていた。史実に名前が残っている方?

刀ミュ 2幕 ライブ

  • 上演時間:約40分

大倶利伽羅の最初の衣装、後ろが赤い紐で編み上げてあって……。男性でこの手の衣装で編み上げて腰のライン出す服、大好き。

物吉くんは、衣装の遊びがあってカワイイをふんだんに詰め込まれてる。裏地の模様ちゃんと気づいたよ!

デュエットはにっかり&大倶利伽羅と石切丸&物吉。世間の流れ読んで、にっかりさんと石切丸の組み合わせなのかと思ったら違った。世間の流れに媚びない、新たな可能性を開拓する。

アンサンブルの徳川勢の太鼓もすごかった。

3/11昼公演の日替わり禊

物吉くんに 「聞いた瞬間幸せになって、僕の帽子から翼が生えてパタパタ~って飛んでいくセリフ]を、お題に出される青江。

パタパタですよ~ってパタパタをかなり主張されてた。物吉が帽子を途中で「ハット」って言ってた。

そして、伽羅ちゃんはパタパタできない子。

この禊が日替わりなんですね。

ファンサ

どこ見ていいのかわからないファンサービスのタイム。通路側だったので近くを通ってくれる。すごい、肌が綺麗で陶器のよう。解像度2400ぐらいの心持ちで見れた。

めっちゃからちゃん美形。いろんなことが各所で勃発してて悲鳴上ってて正直この数分間よく覚えてない。

この手のファンサのあるやつ初めてで、あまりのことに記憶がない。

【刀剣乱舞】刀ミュ「三百年の子守唄」再演感想とファンサ
みほとせ再演で大倶利伽羅にファンサをもらった感想

所感

家康のゆりかごから墓場まで。時間がゆっくり流れる。

赤ちゃん→成人→息子誕生と展開が早いのに、時間がゆっくり、ゆっくり流れる。セリフが少なめ。心情の変化は人物の仕草と表情で読み取る必要がある。

一番時間がゆっくり流れるところは、幼少から青年へのキャストを2人並べて、空間を節約しながら10年を表現した演出。

ミュージカルという2.5次元。演技の他に歌ったり踊ったりがあって大変そうだなぁと思う。ミュージカルは感動要素に歌を使えるから、一つ幅が多くなるね。

歴史の教科書の欄外②ぐらいに乗ってる史実のところで、なかなか名前聞いてもピンとこない歴史上の人物が出てきて、もっと勉強していったら良かったな。榊原康政あたりの家臣を知らずにいた。知ってたら気付ける演出なんかもあったんだろう。

史実を知ってる方が、細い所に目がいける。

「息子の信康が自害、その介錯が服部半蔵」って諸説ある史実を、知らなければ知らないでストーリーを楽しめる。史実を知らずに行ってもなんとかなる。

知ってたら石切丸の各所で曇らせる表情と、半蔵をやるって言った時の外のメンバーの反応が、わかったのかもしれない。

この結末を知ってたキャラと、知らなかったキャラ居るだろうけど、家康に縁がない大倶利伽羅だけ知らないのかな?

アンケートはあとでWEBからでもいけるのかと思ったら、当日会場のみの回収。見た直後にあそこで感想書く余裕ない。「尊い、やばい」しかかけないから、ゆっくり家に帰って書けるようWEBフォームがあるといいな。

あの場のテンション高い感想ってのも重要なのかも?

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