【刀剣乱舞】薬師寺の大倶利伽羅と「噂の刀展Ⅳ」2019感想レポ

大倶利伽羅と馴れ合う薬師寺の特別展2019。二日間通って薬師寺を堪能した。今年の御朱印は「くりから」がひらがならしい。

4/2に行って「空いてるよ」って言ったら、ヒロさんが「じゃあ、行く」という行動力を見せたので、4/4にも一緒に行きました。すごい、私達、大倶利伽羅の女みたいだ(?)

私は4月からしばらく関西在で、仕事は各日でしかなかったのでタイミングが良かった。

噂の刀展Ⅳ

特別公開「噂の刀展Ⅳ」について – 奈良薬師寺-

大和五派の作品も展示 薬師寺で「噂の刀展IV」-産経新聞-

1日目は午後2時ぐらいに到着で整理券650番ぐらい。整理券もらってすぐに特別展に入れたので、空いてたのかな?(寒かったので天候も関係してそう)3日目は10時半着で700番で1時間待ちぐらい。1日目は本当に空いていたんだね。

「空いてる」ってのは、おそらく去年その前にも薬師寺に参加してる審神者の意見。ヒロさんの「ベルトコンベアー状態で、ほぼ馴れ合わなかったよ」っていうのを聞いてたので…。

大倶利伽羅・乱藤四郎の特別展示

期間:4月2日~4日の3日間限定。火水木の平日ど真ん中。平日でないと来れなかったので逆に良かった。

展示されてる場所(慈恩殿)が畳で、靴カバーをしてるとはいえ土足であがるのは憚られた。現場検証みたいで。

大倶利伽羅

15個のライトで光が当てられていて、もうこれただのアイドル。色んな方向から計算尽くのライトアップに影が打ち消されてる。

360度鑑賞できる。切っ先から裏から表から下からゆっくり見れる。並んでるところからも見れる。

みんなじっくり観たいのわかってるから、後ろからせかされないのもいい。そこまで混んでいなかったけど、スタッフには進みながらの鑑賞を促されていた。

掘られた龍の他に波紋のところにも龍がいて、そこをわかりやすく鑑賞できるようにしてあった。

大倶利伽羅には「強い」と書いて”こわい”という表現の感想。刀本物もだけど、ゲームのキャラも、2.5次元のキャラも、だいたいこの解釈の感想を持ってる。手強いの”こわい”と同じ意味の、自分には恐れ多いのとこわいのとそういう感覚。

伽羅ちゃんはこわい。刀も佇まいがこわい。有り難みのある尊さじゃなくて、咒法よりの神がかりな……(感性がうまく説明できない)

大倶利伽羅の拵袋が初出。

乱藤四郎

乱藤四郎は偽物と並べての展示。本物とそのそっくりさんが出てくるバラエティ番組みたいな比較され方。下げられてるというよりは弄られてる。愛のある弄り(かどうかは本命の人に聞かないとわからないが)

折り紙も、文字の文法の使い方がこの時代じゃない。

オークションの騒動はテレビで見たけど、まさか入手して本物の並べられるとは思わなかった。「偽物を見破ることのできる”本物を見抜く力”をつけていただきたい」という澤口先生の経済力と考え方さすが。

偽物だけど鉄くずで廃棄されず、刀として財団に保管されてくれる安心感がある。偽物の子も刀として形が残っててほしい。

偽物の刀も、偽物じゃなかったらどんなだったんだろうなぁ……。力を入れる方向を間違えたのか、乱藤四郎を名乗るに至った経緯もドラマありそう。偽物の刀って高く売るためのお金がらみ以外にも、きっとなにかあって名乗ってるのありそう。最初から乱藤四郎の偽物作ろうとしてできたわけじゃなさそうだし。

3Fe+2CO2みたいに化学反応式の炭素の還元式が出てくる刀のキャプション、他にある?ないよね。

通常展示

期間:3/19~4/21

こちらは期間が長い。特別展じゃない時期に行ったほうが、ゆっくり見れるかもしれない。特別展示や講演優先で時間切れで見れなくとも、半券切ってなければ4/21まで入場可能。遠方だとそうもいかないけどね。

親しみやすい日本刀を目指して、日本刀の愛好者の裾野を広げる。
初心者にも優しい解説。専門用語をできる限り少なくし、親しみやすい解説を心がける。
専門家には物足りなく不評であっても、できる限りライトで分かりやすさを重視する。

ブレストシーブHPからの引用。方針が↑なので、私達にもやさしいキャプション。そこが知りたい!っていうところを教えてくれる。物足りなさは「もっと知りたい!自分で調べよう!」の効力動機になることを財団は知ってる。

「お化けは出ませんでした(笑)」という、(笑)が使われるキャプションってそんなにない。

キャプションの情報量が多いので、キャプションの文章だけモノクロA4/16P/500円ぐらいで販売してほしい。ベタ打ちテキストでいいから。メモってると鑑賞が進まない。そんなに広くないのに展示数と文字量が多いので、全部見て回るのに1時間以上かかる

錆びた刀の展示もある。きちんとした刀しか見る機会がないので、こういった刀も展示して、どうなるのか見せてくれるのは良い。

山本五十六の短刀と戦艦三笠の大砲部分から作られた三笠刀もあって、提督業もやってるのでじっくり観てました。実は軍刀好き。6面マップでゾーリンゲンって出てきたから、てっきり軍刀の子も出てくるんだって期待してた。(薙刀が総称でいけるなら九段刀とかいけないだろうか……)

ゾーリンゲンって出てきたのは、海外の刀の実装じゃなくて、ゾーリンゲンで取れる鉱物で量産された軍刀のことなんだと思ってて…。聚楽第のゾーリンゲン友邦団に夢と期待をしているところ。

体験イベント「幸せの二分間~刀に触れる体験~」

長曾祢虎徹+虎徹の偽物と山鳥毛写し+千子村正を持たせていただいた。

腕時計などのアクセサリーは外す。マスク+手袋を渡されたあと、模造刀での鑑賞の練習があって、希望の2振りのところに並ぶ。相州広光(初代/2代/4代)は1時間待ち。

長曾祢虎徹+虎徹の偽物

沸と匂の写真の差をリアルで見たかった。新幹線の中でブレストシーブHPを必死に熟読していったからね。

本物と偽物の違いをありありと感じる。物理的な重さもだけど、本物を持ってるという非日常が手に感じる重さを変えてる。本物のほうが輝きはもちろんのこと、肌もキレイ。触ったらきっとしっとりしてそう。

偽物と同じ角度で置いてもらって見せてもらったんですが、輝きがクリアPPとただのニス引きみたいな差(同人誌的な表現)光ってるからいいというわけじゃなくて、ちょうどいい角度になったとき、乱反射しないで一点だけに返ってくる輝き。ピカピカではなく、カッ!って閃光で反射するイメージ(ご、語彙力…)

偽物に対しても「虎徹の偽物ってなってるから価値が下がってしまったけれど、これ単体の刀として評価するならば、それ相応の評価をもらえる立派な刀なんですよ!虎徹と並べたらあれですけど!!」って推しを褒めるように力説してたので、ここの財団に所蔵されてる限りは、偽物でも大事にしてくれそう。エリートだけじゃなく普通の子もちゃんと管理してくれるはず、そんな印象持ってる。

山鳥毛写し+千子村正

山鳥毛里帰りプロジェクトでちょっと話題の山鳥毛一文字。今回さ割れる刀の中で一番重い。貧弱な私の右手では持ち上げるのに気合がいる。

しまの部分を肉眼で近くで見れてよかった。写しだからこそ、この波紋を忠実にするのが難しい。

村正は山鳥毛のあとなので、軽い。長さも違うよ。魔法少女のステッキのようなきらめきと持ちやすさと長さで戦えそうだった。女性でもサクッとトドメさせそう。

村正に対して緊張がそんなになかったのは、ゲームのキャラの印象のせいかな。村正は「これが、あの妖刀村正…」って心が華やぐ。殺傷能力が高い刀に対して華やぐは変だなぁ。

特別講演

澤口先生のセレブリティな刀剣入手話もっと訊きたい。2次創作でよく見る闇オークションで○億でお気に入りの子を引き取るかのごとく、刀剣を入手して囲ってくセレブな澤口先生…。

乱藤四郎を入手した経緯がすごかった。正宗26本ぐらいまとめて買い付けたなかに、うっかり乱藤四郎がいたことをさらっとお話するところ、面白かった。そういえばそこに乱がいたんだった~、ぐらいのついでに話すことのノリで話してくれた。

南北朝時代と江戸時代と鉄の製鉄方法が違うので、鑑賞ポイントが違う。野だたらから高殿へのお話もっと訊きたい。国宝、重要文化財、重要美術品の違いとかもっとお話して。先生の所蔵してる推しをべた褒めしてとくと語って。2時間半ぐらい訊いてたけど、もっと訊いていたかった(予定は1時間半)

化学式のスライドすっ飛ばされたけど、ちゃんと興味ありますよ!!

来年は東塔の修理が終わって、そこから出てきたものを慈恩殿に展示するので、薬師寺での刀剣展示は難しいとのこと。

薬師寺

整理券も配ってたので、空き時間に薬師寺も拝観できました。拝観料を説明していただいたけど、「全部見れるやつで!」でフルセットの四角いやつ購入。

一度修学旅行できているはずと思ったら、東大寺と法隆寺で記憶が混じってた。寺院の区別がついてない。薬師寺には…来てない、ハズ。初めての薬師寺!

薬師如来像や西塔の釈迦八相像が、鼻が高くて大陸的な顔立ちで、シルクロードを感じる

釈迦八相像の構図もキリスト教的な宗教画っぽかったね~ってヒロさんと話してた。嘆きのポーズとか完全にギリシャ彫刻のそれ。唐やペルシャよりもっと西の向こうの美術文化っぽい?(ヘレニズム文化) 服のドレープ具合や左右対称感がそれ。

京都の仏像(平安時代)と奈良の仏像(飛鳥・天平時代)明らかに、顔の表情と体格違う。遣唐使の廃止以降の仏像は、絶対に国内のみでよその影響受けてない。

「手足長よね~、指とかスラッとしてるよね~」って見てたんですが、それは仏様の三十二相八十種好っていうルールでそういう容姿になってるんだった。手足が長いのは仕様だった…。

昔も手足が長い人が信仰対象の容姿端麗扱いされてたんだろうな。

仏像鑑賞の知識がない状態なので、もう少し勉強しておきたいです。詳しい方がおすすめの本を拍手で教えてくれますように~~。


ご飯はCafe Re:Comoさん。ツイッターの情報共有ありがたい。周りにコンビニないので、食料調達が難しいと聞いてましたが、唐招提寺に向かう道にごはん処そこそこ有りましたよ。

京都の都路里。

京都に戻って行けてなかった建勲神社。御朱印のあて紙が「でかした」

建勲神社HPの藤安将平刀匠の講話を読んで、「専門的なことは何もいりません。刀を見て美しいと感じる心さえあればいいんです」って優しい気持ちになったので一度行きたかったんですよ。

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